2018/10/28

ゲーム依存症の5つの症状|依存症になる前から苦しい当事者へ処方箋

「うちの子はゲーム依存症なのかしら?」

「旦那がゲーム依存症と診断されました。私はどんなサポートができるでしょうか?」

あなたはこうお悩みかもしれません。

もしくは「ゲーム依存症ってどんな症状がある病気なんだろう」と疑問に思っていらっしゃる方もいるかもしれません。

この記事では、「ゲーム依存症という病気」について、そして「その症状・原因」についてお伝えしていきます。

私自身、ゲーム依存症を家族側として経験しています。

今回の内容が、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

目次

1. ゲーム依存症の定義と診断基準

「ゲームばかりやって」「この子ったらわがままで」とゲームばかりしている方を見たあなたは思われるかもしれません。

しかし極度にゲームにのめり込んでいる場合、それはゲーム依存症かもしれません。

2018年6月、世界保健機関(WHO)はゲーム依存症を「ゲーム障害」と疾病認定しました。

この障害は、病気の診断をする際に使用するマニュアル国際疾病分類(ICD-11)に記載されます。

ゲーム障害(ゲーム依存症)になると「持続的で反復的なゲーム行動」が見られ、学校や仕事に行けなくなる等、重篤な問題を引き起こします。

ゲーム障害(依存症)は、以下の4つの症状が12か月継続している場合に診断されます。

臨床的特徴

①ゲームのコントロールができない

②他の生活上の関心ごとや日常生活よりゲームを選ぶほどゲームを優先する

③問題が起きているがゲームを続ける、またはより多くゲームをする

重症度

④ゲーム行動のためにひどく悩んでいる。または個人の家族の社会における学業上または職業上の機能が十分に果たせない

この診断基準を確認した上で、もし家族のゲーム依存症が疑われる場合には、一人で抱え込まず第三者に相談することが大切です。

2. ゲーム依存症の原因や症状

ここから具体的に、ゲーム依存症の原因や症状についてお話します。

【ゲーム依存症の原因】

ゲーム依存症になってしまうのにはいくつか原因が考えられます。

以下、私たちの施設に来てくださった方々の特性から5つの原因を抽出しました。

①競争する環境にいて、安心空間や癒しの空間がない

ゲーム依存症になる理由の1つに現実逃避があるといわれています。

社会で「頑張らなきゃ」「結果を出さなきゃ」と焦り、焦燥感やイライラ感を持ちます。その時、ゲームが癒しとなる可能性があります。

ゲーム依存症になる方の大半はゲームの操作が上手です。

そのためゲームならば、自分は「やればできる、結果が出せる」と安心するのかもしれません。

それを契機にして、ゲームにのめり込むのかもしれません。

②低い自己肯定感

ゲーム依存症の方は自己肯定感が低く、それでも「誰かに認めてほしい」「受け入れてもらいたい」などの思いがある可能性があります。

ゲームができたという成功体験をし、ひとたび誰かに認めてもらえたり、受けいれられた経験から「自分は認めてもらえる」と感じゲームにのめり込む可能性があります。

③孤独感や閉塞感

学校・職場で孤独感を感じている人もいます。

近年特にオンラインゲームでは「協力プレイ」などで人と関わることができます。

また、日常生活と違いゲームの仮想空間では自分の身分を伏せてくゲームの話を通してコミュニケーションが取れるため、自分を取り繕うことなく人と関わることができます。

自分一人じゃないという安心感を得たくてゲームにのめり込む人もいるでしょう。

④ゲームが気軽にアクセスできる環境

ゲーム依存症になる方には、いわゆるゲーム機を使って遊ぶオフラインのゲームだけでなく、オンラインのゲームを通して依存症になる場合があります。

そしてオンラインゲームの一部はスマホやパソコンで気軽に遊ぶことができます。

そのため、容易にゲームをしやすい環境があり、たとえゲームをやめたいと思ってもやめられない環境下にあります。

これら1つではなく、あるいは複合的に重なり合ってゲーム依存症になると言われています。

【ゲーム依存症の症状】

ゲーム依存症の方の症状や悩みとしてどのようなものが挙げられるのでしょうか?

以下、いくつかご紹介していきます。

①不登校・引きこもり・中退

ゲーム依存症の方の多くは就学の問題を抱えている場合があります。

オンラインゲームであれば、ゲームの世界で「一番盛り上がっている時間」が夜から深夜であることが多いです。

夜中に起きているため、朝起きることができず不登校や中退、引きこもりになることがあります。

②学力低下

ゲーム依存症になると学力低下も考えられます。

ゲーム依存になることで集中力や注意力が低下するという研究も報告されています。

③視力低下・肺活量減少

ゲーム依存症になり長時間ゲームをし続けることで視力低下が懸念されます。

特にゲームをやりすぎることで、目の毛様体の筋肉疲労を起こし視力低下するそうです。

またゲーム依存症になり、活動量が減り、肺活量が減少することも報告されています。

④不眠・睡眠障害

ゲーム依存症になることで、脳機能の一部が変化し、不眠や睡眠障害になりやすくなると言われています。

脳機能のうち報酬系という部分が変化することで「ゲームに関連する情報」を脳が認識したときに容易に興奮しやすくなり、興奮が持続します。

すると、なかなか落ち着かず寝付けず睡眠障害になる場合があるのです。

⑤イライラ感・衝動性

脳の報酬系の異常によって、イライラしやすくなったり衝動的になりやすいとの報告があります。

また、ゲーム依存症になると、ゲームをやっている時間でない場面において、禁断症状が生じ、「ゲームしたいのにできない」ことに苛立ち衝動的な行動をする場面も見られます。

3. ゲーム依存症の症状への治療や対策

最後に、ゲーム依存症の具体的な治療方法についてご紹介します。

①カウンセリング

ゲーム依存症になる背景として、孤独感や低い自己肯定感、傷つきがある場合があります。

その場合、ゲーム依存症が緩和し、ゲームばかりする日々でなくなったとしても、そもそもの「生きづらさ」が解消されていないため、当事者の苦しみは続くかもしれません。

病院等で臨床心理士や精神科医との関わりを持つ、あるいは回復施設でカウンセリングを受けることで、そうした苦しみから回復する必要があります。

②認知行動療法

認知行動療法は、人の認知(気づきや思考)や行動に着目した心理療法です。

ある認知(気づき)に対する思考や感情を自動思考と呼び、認知行動療法はこの自動思考の癖を変えていき、当事者が生きていきやすいように思考の癖を変えていくことを目的とした心理療法です。

③キャンプ等のアクティビティー

近年韓国でもゲーム依存症の当事者は増え続けていると報告があります。

韓国では「レスキューキャンプ」と呼び、10日ほどゲームが全くない自然環境の中でキャンプをする治療法が試され、効果が検証され始めています。

ここでは、キャンプができる自然環境の中、大学生のメンターが各ゲーム依存症者に付き添い、自然の中で様々な挑戦(飯盒炊飯、探検など)を行います。

キャンプの中で成功体験を積むこと、また対人関係を作ることで孤独感を緩和し、ゲーム依存症の背後にある「生きづらさ」に対してアプローチしようというものです。

上記のような取り組みを参考に、日本では「ネット依存治療合宿(日本版レスキュースクール)」と呼ばれるものが、国立病院機構久里浜医療センターで行われています。

久里浜医療センターでは他にも海外の事例を取り入れながら、ネット依存・ゲーム依存等の回復プログラムを多く開発し、臨床で実践され続けています。

4. まとめ

今回の記事では、ゲーム依存症の症状やその原因、治療方法についてお話していきました。

改めて内容を整理したいと思います。

  1. ①ゲーム依存症(障害)は2018年に疾病認定された病気です。
  2. ②ゲーム依存症になる原因として、低い自己肯定感や孤独感が関係します。
  3. ③ゲーム依存症は適切な治療をすれば十分回復可能です。

ゲーム依存症は病気です。

依存症になる前も今も、当事者は苦しんでいるかもしれません。

ゲーム依存症は自分と向き合い、症状と折り合いをつけることで回復できます。

私たちヒューマンアルバでは、依存症回復に向けた無料相談を行っています。

どんな小さなお悩みでも構いません。

あなたの意見を尊重しながら、ともに回復に向けて歩んでいきます。

お気軽にご相談ください。

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社名: 株式会社ヒューマンアルバ

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

・つらい思いを吐き出す場として

・状況を変えていく学びの場として

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

・学生・市民セミナー『ネット依存、スマホ依存とその取組み』(2018) 第40回日本アルコール関連問題学会

樋口進(2018.02.06)「ゲーム依存の実態と課題」(視点・論点) NHK解説委員会

Caplan, S. E., Williams, D., & Yee, N. (2009). Problematic internet use and psychosocial well-being among MMO players. Computers in Human Behavior, 25, 1312–1319.

青山郁子,五十嵐哲也(2011). Problematic Internet Use(PIU)とオンラインゲームのユーザーに与えるネガティブな社会的・心理的影響:展望と課題

・樋口進(2018)『スマホゲーム依存症』内外出版社

「ゲーム障害」実態調査へ 厚労省が18年度中にも(2018.09.07) 日本経済新聞

ライター名: 木原彩